2023.6.16
マイナンバーへ紐付けられた誤情報登録報道に対する所感
表題につきまして、一般社団法人日本データ・エンジニアリング協会(Japan Data Engineering Association、以下JDEA)として所感を表明します。
我々JDEAは、1971年の協会発足以来、データ・ハンドリングのプロフェッショナル集団として活動してまいりました。
責任体制(データ・ガバナンス=所有者、利用者、作成者の責任)を明確にし、安全対策(データ・セキュリティ=環境、暗号化)を施し、
精度(データ品質)を備えたTrusted Data(信頼・信用できるデータ)の提供を目指し、あらゆる場面で日常を支えております。
さて、「ヒューマン・エラー」はどの産業分野においても起こり得るものです。
対策を実施するにあたり、原因を深く追求することが各産業界でなされていることは周知の事実です。
本件において考察させて頂きますと、現状、技術的問題により人が一切介在しないデータ化作業は不可能です。
人を介在させないデータ化業務の対策も議論されていますが、当業界の知見としてはAI-OCR等の機械読み取りのデータ化精度は人による作業の100倍以上のエラー率を内包します。
機械読取入力の文字の誤認識、読取不能文字の補正を行うことは人でのみ行い得ます。
今回のマイナンバー関連のデータエラーの原因は、実は人によるデータ検証の作業が不十分であることではないか?と考えます。
当業界の経験として、100%の精度を要求されるデータは必要十分な複数回の検証照合作業にて精度100%を目指しています。
どの産業においても究極の精度を求めるには、人による観察、検知、検証が必要です。
ヒューマンエラーを解消する作業工数の不足が本件の原因と考えます。
マイナンバーにかかる誤情報の紐付けを単に「ヒューマン・エラー」に帰結する事は違和感を感じます。
ヒューマンエラーは原因ではなく事象で、本当の原因はヒューマンエラーを補正する作業が足りなかった事と推察します。
さらには、マイナンバー運用上、我が国独特の戸籍制度と住民基本台帳制度との関連性、親和性について、これからより検討を深められることが、一層のデジタル行政の発展、ひいては日本国民の利便性向上に繋がることと拝察いたします。
将来の円滑なマイナンバー制度の運用と発展、我が国の高度デジタル化が発展するよう、当協会として微力ながら貢献できることがあればと、一同心より願っております。
一般社団法人日本データ・エンジニアリング協会
会長 河野 純
東京都中央区銀座8−14−14銀座昭和通りビル
電話:03−3572−7731
FAX:03−3572−0151
ホームページ URL: https://www.jdea.gr.jp
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contact@jdea.gr.jp (広報担当 河野 青)